出典:COUSINS
チェスターフィールドソファってなに?
世界にはさまざまなデザインのソファがありますが、その中でも
「全てのソファの母」
と呼ばれるデザインのソファがあるのはご存じでしょうか?
そのデザインのソファこそが「チェスターフィールド」と呼ばれるソファです。
チェスターフィールドソファとは、下の画像のような総革張りの生地にボタン留めがされていて、種類によっては鋲(びょう:頭部の大きな装飾を兼ねる釘のこと)などで装飾をされたソファのことです。
出典:THE CHESTERFIELD MANUFACTURER
その誕生は17世紀のイギリスにまで遡り、当時の政治家であり外交官でもある第4代チェスターフィールド伯爵のフィリップ・スタンホープ(1694−1773)が家具職人に指示して作らせたと言われています。
このソファのデザインと座り心地を大変気に入ったスタンホープは「チェスターフィールド」の名前をソファに与え、その後イギリスから世界中に広まり世界中で愛されるようになりました。
出典:Wikimedia commons
▲イギリスの国務大臣だったフィリップ・スタンホープは作家としても有名な作品を残した。
チェスターフィールドソファがその後に誕生した多くのソファのデザインの起源になったこと、そしてそのデザインが大変優雅であったことから「全てのソファの母」と呼ばれるようになった、というわけです。
それでは、現在も世界中で愛されているチェスターフィールドソファを素敵にコーディネートした例とそのポイントを、インテリアコーディネーターのプロの視点からいくつかご紹介させて頂きます。
チェスターフィールドソファを使ったコーディネート例
濃いめのフローリングとアイボリーカラーのインテリアに合わせる
出典:FURNITURE AND CHOICE
チェスターフィールドソファは、ソファそのものに存在感があるためどのようなインテリア空間に置いてもすんなりと調和するのが特徴です。
上の画像では、濃いめのウォルナットカラーのフローリングにアイボリーの壁面という非常にシンプルな組み合わせのインテリアですが、ブラックのチェスターフィールドソファを置くことにより、ウォルナットのカラーリングに重厚感が増し、単調になりがちなインテリアに大きなインパクトを与えています。
インテリア小物にゴールド色の照明やキャンドルを配置することにより、エレガントな雰囲気を損ねないようにうまくバランスを取っているのも◎です。
ちなみにウォルナットは、もともと中世よりイギリスのインテリアによく用いられてきた樹種であり、フローリングをはじめとした内装材、家具材としても重宝されてきました。
そのため、イギリス生まれのチェスターフィールドソファのデザインとマッチするのは「自明の理」と言えるかもしれませんね。
黒と白のモノクロカラーのインテリアに合わせる
出典:THE ARCHITECTURE DESIGNS
お次はこちら、黒いフローリングに黒いカーテン、白い内装に白いコーヒーテーブルというメリハリのあるモノクロカラーのインテリアです。
無彩色(むさいしょく:黒、白、グレーなど色味のない色)である黒と白のインテリア空間には、有彩色(ゆうさいしょく:赤や青など色味のある色)や金属の色味であるゴールドやシルバー、そして木の色味など、どのようなカラーにも調和して合わせやすいという特徴があります。
というわけで、黒いレザーのチェスターフィールドソファも当然合わない訳もなく、まるでこのインテリア空間のために作られたかのようにバッチリとはまっていますね。
こちらのインテリアで特筆すべきは「レザーの素材感」です。
同じインテリア空間内にはさまざまな「黒」がありますが、同じ黒でもフローリングである「木」という素材の黒と、カーテンである「ファブリック」という素材の黒、そしてチェスターフィールドソファの「レザー」という素材の黒と、同じ空間内でさまざまな素材の黒が使用されています。
このように同じ色味でも素材が異なることによって光の反射や手触りが変わるので、単調な空間に変化を加えることができます。
また、このチェスターフィールドソファに打たれた鋲の金属色が照明やカーテンレールの金属色と調和し、アクセントとなっているのも見逃せないポイントです。
もし、あなたの自宅のインテリアにレザー素材のアイテムが無ければ、このような「ソファ生地の素材で変化を付ける」という手法もワンランク上のインテリアにするのに効果的です。
カラー生地のチェスターフィールドソファをインテリアに合わせる
出典:Pier1
最後はこちら、カラーの入った生地のチェスターフィールドソファです。
一見、無彩色ではない有彩色のカラーリング生地のソファって
「派手だし合わせるのが難しいから・・・」
と、敬遠してしまうという方も多いのではないでしょうか?
しかし上の写真のケースでは、インテリア空間のベースカラーを無彩色にまとめ、ソファ生地のブルーを壁面のアートのカラーリングに合わせ、ソファの鋲とレッグのカラーをアートフレームやコーヒーテーブル、インテリア小物と合わせることにより、見事な調和に成功しています。
想像してみてください・・・。
例えばこのコーヒーテーブルがステンレススチールのシルバー色だったら、アートのカラーリングが赤やピンクのマルチカラーだったら・・・
きっとここまでまとまり感のあるインテリア空間を実現出来ていないでしょう。
ちなみにこのチェスターフィールドソファの生地のカラーは黒でも美しくまとまると思います。
しかし色味のある生地のソファを選ぶことにより、お部屋の雰囲気を明るくしたり、好みの色味でインテリアを楽しむことができます。
いかがでしたでしょうか。
抜群の存在感と高級感を兼ね備えた優雅なデザインのチェスターフィールドソファを、あなたの特別な空間に加えてみませんか?